マシンの造り方

Z-Challengeへの参加にあたり、マシン=参加車両の造り方については、まず、プロショップに相談されることをおすすめいたします。

とくに、チューニングされた車両を購入された場合、既に装着されているパーツがZ-Challengeの車両規則に合致していないことも考えられます。

その場合、車両規則に合致するよう、装着されているパーツを変更しなければなりません。こうした点においてもプロショップに相談しながら進めることが効率的で結果的にはローコストに繋がるでしょう。

さて、ここでははじめてZ-Challengeに参加される方に向け、必要・最低限のマシンの造り方について解説します。

Z-Challengeでは、以下の装着が義務づけられたパーツを取り付ければ、他はノーマル状態でも参加は可能です。参加者のドライビングスキルに応じて、それ以外にもブレーキパッドやタイヤなど安全性に関わるパーツチューニングすることをおすすめします。

はじめて参加される場合は、できるだけシンプルな造りのマシンがおすすめです。フェアレディZは、元々パワフルなエンジンを搭載していますので、シャシー側のセッティングをキッチリと行なうことで乗りやすく速いクルマに仕上げることができます。

 

【装着が義務づけられたパーツ】
「2018 Z-Challengeテクニカルレギュレーション」で定められた以下のパーツの装着は必須です。おもに安全面でのパーツです。
※詳しくは2022 Z-Challengeテクニカルレギュレーションを参照してください。

■牽引フック
車両の前後に牽引フックの装着が必要です。牽引フックはコースアウトした場合等にオフィシャルがコースアウト車両を引き出す際に必要となります。できるだけスムーズな救出作業が可能なように装着を義務付けています。
 

■フルハーネスベルト(4点式以上)
コース上では純正の3点式シートベルトは使用できません。必ず、4点式以上のフルハーネスベルト(FIA適合品)を装着してください。取付方法は「2018 Z-Challengeテクニカルレギュレーション」を熟読し、プロショップに相談されることをおすすめします。
 

■消火器(手動式)
Z-Challengeでは、万が一に備えて手動式消火器の装着も義務づけています。消火器の装着にあたっては車体への加工を行なわずに取付られるブラケットもありますので、プロショップにご相談ください(なお自動消火器の装着は認めておりません)。
 

■オイルキャッチタンク
Z-Challengeでは、オイルキャッチタンクの装着を義務付けております。クラッシュや転倒などの際、溜まったオイルが排気系にかかると火災の恐れがあります。取付位置や配管などはプロショップに相談することをおすすめします。
 

【その他の重要項目】
■最低地上高は90㎜以上を確保
ナンバー付車両であるため、最低地上高は90㎜以上を確保してください。最低地上高を90㎜以上確保していない車両は、出走前の車検を通過できないのでご注意ください。
 

■最低重量は1500㎏以上を確保
ドライバーを含む最低重量は1500㎏以上必要です。したがって極端な軽量化はできません。出走前・出走後の車検でも最低重量の計測は行ないますので、ガソリンの多い・少ないにかかわらず最低重量を確保するようにしてください。
 

■エアコンおよび内容の撤去はNG
Z-Challengeでは、エアコンや内装類の撤去は認められていません。最低重量の規定もありますので、日常での快適性はそのままでスポーツ走行を楽しみましょう。

 
 

【装着が望ましいパーツ】
■ロールバー
万が一の安全のために、ロールバーの装着を推奨しています。また、オープンタイプのロードスターではロールバーの装着が義務づけられています。
 

■デフオイルクーラー
フェアレディZは、サーキットで連続周回を重ねるとデフオイルが上昇しやすい傾向にあります。場合によってはオイルを吹くこともありますのでオイルクーラーの装着をおすすめします。練習走行や実際のイベント時にも、デフオイルクーラーを装着していれば格段に安心感が高まります。
 

■マフラーの騒音規制
イベントが開催されるサーキットによって騒音規制が異なります。
筑波サーキット2000 96db以下
袖ヶ浦フォレストレースウェイ 95db以下

社外マフラーに交換する場合は上記の騒音規制に注意してください。

 

【一般的に装着するパーツ】
■車高調整式サスペンション

大半のエントラントは社外の車高調整式サスペンションに変更していますが、純正のまま、もしくは純正形状のスポーツサスペンションキットでも問題ありません。最低地上高は90㎜以上確保できるようにセッティングしましょう。サスペンションを変更する場合は、プロショップに相談することをおすすめします。
 

■ブレーキ関係
サーキットではブレーキの負担が非常に大きくなります。とくに初心者ほどブレーキに頼った走りとなるため、高温になりやすい傾向にあります。サーキット走行に適したブレーキパッド、ブレーキフルードへの変更をおすすめします。予算に余裕があれば写真のような大径ローター(φ390以下)とビッグキャリパー(6POT以下)に変更すればさらに安心感は高まります。

 

以上のように、装着の義務付けられている手動消火器、4点式以上のフルハーネスベルト、前後牽引フック、オイルキャッチタンクを装着すれば参加は可能ですが、ロールバー、サスペンションキット、デフオイルクーラー、ブレーキパッドを装着すれば、より安全で乗りやすいマシンに仕上げることができるでしょう。

そのほか、細かいマシンメイキングに関しては、Z-Challengeテクニカルレギュレーションを熟読してください。